エプソムソルト入浴で得られるいくつかの効果は、科学的に証明されています。

 

しかし、国内の公的機関による研究は行われていません。

 

「エプソムソルト入浴は本当に効くのだろうか?」と気になっている方は、ぜひ海外の研究データを参考にしてください。

 

今回は、海外で行われたエプソムソルト入浴の研究結果を要約し3件紹介します。

 

また、経皮吸収についても解説します。

 

エプソムソルトの効果についての科学的根拠とは?

 

 

エプソムソルトの効果によって、身体の痛みが改善されたという研究結果が存在します。

 

ただし、エプソムソルトは医薬品ではありません。

 

エプソムソルトの成分である「硫酸マグネシウム」は医薬品としても用いられますが、エプソムソルトとして製造されている商品は化粧品のカテゴリーで販売されています。

 

「経皮吸収」の仕組み

 

経皮吸収(けいひきゅうしゅう)とは、外側の物質が皮膚を通して体の内側に吸収される現象のことです。

 

経皮吸収の経路は「毛のう」か「表皮」のいずれかで、肌に接触した物質は毛穴や皮脂腺などの開口部から皮膚中に移動します。

 

また、肌に触れた物質の吸収率は、性質や溶解性、接する部位などによって差が出ると言われています。

 

たとえば、化粧品の場合は「水溶性」よりも「脂溶性」の物質のほうが吸収率が高いことが多いでしょう。

 

エプソムソルトが経皮吸収できることはいくつかの実験により明らかになっていますが、どの程度の濃度が体内に浸透しているか、具体的な数値化はできていません。

 

「エプソムソルトは効果ない」って本当?

 

エプソムソルトが体に与える良い効果は、いくつかの研究によって実証されています(研究の詳細は後述します)。

 

海外で行われた研究結果では「効果があった」というデータが出ているものの、すべての方が同じ効果を感じられるかは定かではありません。

 

またエプソムソルト入浴は、ある程度の期間、継続して行うことが推奨されています。

 

数回使っただけで「効果がない」と言い切るのは難しいため、最低でも2週間程度は継続してエプソムソルト入浴を行ってみましょう。

 

【バーミンガム大学のエプソムソルト研究レポート】

 

 

イギリスバーミンガム大学が発表したエプソムソルトの研究結果を要約して紹介します。

 

研究の概要

 

マグネシウムが皮膚から吸収されるかどうかを、複数の被験者を対象に実験しています。

 

原文は長文レポートのため、以下では一部を要約して抜粋しました。

 

【研究を行った人】

Dr. Sarah Nuttall(バーミンガム大学メディカルスクール 臨床薬理学部門)

Rosemary Waring博士(バーミンガム大学バイオサイエンス学部)

バーミンガム大学バイオサイエンス学部 リバ・クロヴルザ氏

 

【研究に参加した人】

24~64歳までの19人の被験者(男性10名、女性9名)

・被験者の健康状態は良好で、次の条件に該当する者

 

1.薬の服用中ではない

2.タバコを1日5本以上吸わない

3.アルコールを1日2リットル以上飲まない

 

【研究方法】

・お湯にエプソムソルトを入れた

・入浴は毎日同じ時間に7日間行った

・約28~31℃のお湯で12分間入浴をする(英文中に50~55℃と記載がありますが、誤植だそうです。正しくは°F(華氏)で約28〜31℃に相当します。)

 

エプソムソルトの経皮吸収で得られた効果

 

この研究による、被験者に表れた効果は、次のように報告されています。

 

・19名の被験者のうち16名に血中マグネシウム濃度が見られたが、その値は小さいものだった

・尿中のマグネシウムの上昇が見られた

・血中マグネシウムが上昇しなかった人は、尿中マグネシウムの濃度上昇が大きかった

・血中マグネシウムの濃度は、女性よりも男性のほうがわずかに高かった

・血中の遊離無機硫酸塩濃度はすべての被験者が上昇した

 

1%のエプソムソルトを使用した場合、すべての被験者に実験結果報告では「血中の遊離無機硫酸塩濃度はすべての被験者が上昇した」とあります。

 

なお、60歳以上の被験者のうち2名が「リウマチの痛みが消えた」と感想を述べたそうです。

 

この研究では「エプソムソルト入浴は体内の硫酸塩とマグネシウム濃度を高める簡単な方法である」と結論づけています。

 

論文の原文はこちらでご確認ください。

Report on Absorption of magnesium sulfate (Epsom salts) across the skin/イギリス「バーミンガム大学」(QS世界大学ランキング 2023年度91位)

 

【国際ヘルスケ科学ジャーナルで発表された研究結果】

 

 

2022年10月に「国際ヘルスケ科学ジャーナル」に掲載されたエプソムソルト温浴の実験結果を紹介します。

 

研究の概要

 

研究によって「温湿布」という方法で、エプソムソルトが経皮吸収されていることが明らかになりました。

 

【研究を行った人】

ダスワミ.R1 、ブリスキージェニーシャ.J2 、ロケシュワリ.S3

講師、サヴィータ看護⼤学、SIMATS、タンダラム、チェンナイ-602105、医療外科看護学科

 

【研究に参加した人】

・膝関節痛がある高齢女性100名

 

<被験者の詳しい属性>

 

被験者の年齢分布 ・60~65歳:44%

・66~70歳:50%

・71~75歳:6%

被験者の職業 ・主婦:83人

・日雇い労働者:15人

・民間企業勤務:2人

運動(エクササイズ)の経験 ・あり:12%

・なし:88%

 

【研究方法】

・事前テストとして痛みレベルの計測を行った

・エプソムソルト30gを1リットルの沸騰したお湯に加えた

・清潔な手ぬぐいをエプソムソルト入りのお湯に浸して絞り「温湿布」を作った

・温湿布を膝関節に20分間塗布した

・回数は1日2回、10日間継続した

 

エプソムソルト温湿布で痛みが緩和した結果

 

エプソムソルトの使用後前後に計測した「痛みレベル」の結果は以下のとおりです。

 

事前テストの痛みレベル ・重度の痛み:47人

・中等度の痛み:51人

・軽度の痛み:2人

エプソムソルト温湿布を行ったあとの痛みレベル ・痛みがない:81人

・軽度の痛み:19人

 

エプソムソルトの温湿布によって、多くの方の痛みレベルが軽減した結果になりました。

 

この研究では「エプソムソルトには抗炎症作用と鎮痛作用があり、膝関節痛の軽減に有効である」と結論づけています。

 

上記は論文の一部を和訳のうえ、要約したものです。

 

論文の原文はこちらでご確認ください。

International Journal of Healthcare Sciences(国際ヘルスケアジャーナル)

 

【国際保健科学研究ジャーナル掲載の論文】

 

 

2023年9月に「国際保健科学研究ジャーナル」に掲載された、エプソムソルトの有効性を評価するための実験結果を紹介します。

 

研究の概要

 

この実験は、修士課程の看護学生や教授、学部長がチームで行った実験です。

 

【研究を行った人】

ディネシュ・チャンドラ・ダモール、ジテンドラ・プジャリ、MU・マンスリ、ビジェイ・シン・ラワット(Venkteshwar College of Nursing, Sai Tirupati University, Udaipur, Rajasthan, India)

 

【研究に参加した人】

・60歳以上の関節炎患者60人(男性36.7%、女性63.3%)

・ヒンディー語または英語が理解できる⽅

 

【研究方法】

・60人を2つに分けて実験した(温水のグループ30人・普通の水のグループ30人)

・お湯または水に30gのエプソムソルトを溶かす

・清潔な手ぬぐいをエプソムソルト入りのお湯に浸して絞り「湿布」を作った

・手ぬぐいの湿布を膝関節に20分間塗布した

・回数は1日2回、10日間継続した

 

エプソムソルト温湿布で痛みが緩和した結果

 

エプソムソルトの使用後前後に計測した「痛みレベル」の結果は以下のとおりです。

 

計測のタイミング 普通水での湿布 熱水での温湿布
実験前 ・重度の痛み:56.7%

・中等度の痛み:43.3%

・極度の痛み:26.7%

・重度の痛み:53.3%

・中等度の痛み:20%

それぞれの温度でエプソムソルト温湿布を行ったあと ・重度の痛み:46.7%

・中等度の痛み:53.3%

・重度の痛み:36.7%

・中等度の痛み:40%

・軽度の痛み:23.3%

 

普通の水とお湯、どちらを用いた場合でも、被験者の痛みレベルは軽減しました。

 

この研究では「エプソムソルトをお湯で溶かすと効果的に痛みが軽減され、機能の改善が見られた」と結論づけています。

 

上記は論文の一部を和訳のうえ、要約したものです。

 

論文の原文はこちらでご確認ください。

https://www.ijhsr.org/IJHSR_Vol.13_Issue.9_Sep2023/IJHSR21.pdf(国際保健科学研究ジャーナル)

 

エプソムソルトの効果を感じた実例

 

 

海外で行われた研究結果では、エプソムソルトの効果はあると結論付けられています。

 

しかし、海外における研究結果だけでなく、私たち日本人にも効果が期待できるのか?ということも知りたいですよね。

 

残念ながら国内での研究はされていないので、実際に使用してみた方の口コミ・感想を紹介します。

 

エプソムソルト入浴で敏感肌・アトピー肌が改善した例

 

アトピー性皮膚炎患者がエプソムソルト入浴を行った結果では、多くの方に症状の改善が見られたそうです。

 

また、外用剤を使用しても肌あれが改善しなかった方が、約1か月間エプソムソルト入浴を行ったところ、赤みやかゆみがなくなったという例もあります。

 

さらに、もともと肌トラブルがなかった方は「肌が、よりスベスベになった」と感じたそうです。

 

このように良い効果が感じられるのは、エプソムソルト入浴の経皮吸収によってマグネシウムが浸透し、肌のバリア機能が高まったためと考えられます。

 

参照:青山ヒフ科クリニック

 

筋肉の緩和効果を期待してエプソムソルトクリームを使用した例

 

噛み合わせからくる全身不調の改善を図るために、エプソムソルトクリームの塗布を薦めている歯科医がいます。

 

マグネシウムの成分によって、頭頸部の筋の過緊張をゆるめられるのではないかと期待し、歯科医院での取り扱いを開始したそうです。

 

口腔内のトラブルだけでなく、顎関節症や肩凝り、腰痛治療の一環としてエプソムソルトクリームを患者に薦めており、実際に良い効果を感じた方もいるそうです。

 

参照:鈴木歯科クリニック

 

エプソムソルトに関するよくある質問

 

 

エプソムソルトに関してよくある2つの質問に回答します。

 

・エプソムソルトがシミに効く科学的根拠はあるの?

・エプソムソルトが高血圧に効く科学的根拠はあるの?

 

エプソムソルトがシミに効く科学的根拠はあるの?

 

エプソムソルトがシミの改善に効果的という、科学的根拠(エビデンス)はありません。

 

ただ、エプソムソルト利用者が発信している口コミでは「シミが気にならなくなってきた」というコメントもありました。

 

硫酸マグネシウムは皮膚のバリア機能強化に良いとされているので、肌が変わったと感じる可能性はあるでしょう。

 

エプソムソルトが高血圧に効く科学的根拠はあるの?

 

エプソムソルトに高血圧を抑える効果はありません。

 

医薬品としての硫酸マグネシウムは、血圧の上昇を調整できる作用があります。

 

しかしエプソムソルトは医薬品ではないため、入浴では同等の効果は得られません。

 

高血圧に悩む方は、医師への相談やエビデンスがある治療法など、エプソムソルト入浴以外の解決策を見つけましょう。

 

エプソムソルト入浴の効果には複数の科学的根拠がある

 

 

世界的にはエプソムソルト入浴の研究結果が複数紹介されていますが、国内での研究結果はほとんどありません。

 

そのため、効果として目に見えにくい部分があるかもしれませんが、まずは継続して使用を続けることが大切です。

 

カルシウムの供給優先順位は「骨→歯→心臓→脳→肌」の順番です。

 

マグネシウムはカルシウムの循環を助ける役割を担っているため、不足すると肌に影響を及ぼすおそれがあります。

 

毎日エプソムソルト入浴を行いたい方には、シークリスタルスの大容量パックがオススメです。

 

シークリスタルス製品のなかでもっともコスパが良いので、気兼ねなく使えます。

 

お湯に溶かすだけで手軽にできるエプソムソルト入浴を、ぜひお試しください。

 

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