「エプソムソルトの成分はなんだろう?」このような疑問をお持ちの方は多くいらっしゃいます。

 

エプソムソルトは海水から取れる天然成分で、主にお風呂に入れる入浴剤として使用されます。

 

塩のような見た目をしているエプソムソルトですが、成分はまったく違うものです。

 

今回は、エプソムソルトの成分やマグネシウムの基礎について解説します。

 

エプソムソルトの成分

 

 

「エプソムソルト」はバスソルトに分類されることが多いのですが、塩ではありません。

 

海水から抽出される「硫酸マグネシウム」という成分で、塩と同じような白い粒子です。

 

どちらも海から取れる成分であり、見た目が似ていることからバスソルトと混同されている方が多くいらっしゃいます。

 

海水は「水96.6%」「塩分3.4%」で構成されており、塩分はさらに細かく分類できます。

 

以下のグラフでは塩分に含まれる成分の割合を表しており、エプソムソルトは黄色い部分(硫酸マグネシウム)です。

 

 

イギリスのエプソムという街で発見され、塩のように見えることから、エプソムソルトと名付けられたと言われています。

 

硫酸マグネシウムとは

 

エプソムソルトを科学的な呼び方で表すと「硫酸(りゅうさん)マグネシウム」で、医薬品の下剤として用いられています。

 

ただし、下剤としての効能医薬品として用いられる場合に発揮するものであり、エプソムソルトを体内に摂取しても同じ効果は得られません。

 

エプソムソルトと硫酸マグネシウムは科学的には同じものですが、それぞれの用途にあわせて作られた製品を選びましょう。

 

塩化マグネシウムとは

 

海水中の塩分から取れる成分には、硫酸マグネシウムのほかに「塩化マグネシウム」も存在します。

 

塩化マグネシウムは海水から塩化カリウムを取り出したもので、いわゆる「にがり」のことです。

 

エプソムソルトと混同しやすいため、別のものであることを把握しておきましょう。

 

同量で比較した場合は、エプソムソルトよりも塩化マグネシウムのほうが、マグネシウムの含有量が多くなっています。

 

一方で塩化マグネシウムは、その塩分によって、浴槽(配管)の錆びの原因となる点や、肌に刺激が強いことがデメリットです。

 

マグネシウムの基礎知識

 

 

エプソムソルトの主成分であるマグネシウムの基礎知識をおさらいしましょう。

 

いくつかのデータを紹介しますが、いずれも食べ物からの経口摂取に関連するデータです。

 

エプソムソルト入浴によってマグネシウムを経皮吸収できることは立証されているものの、経口摂取の場合と同等の結果が得られるわけではないため、その点は留意してください。

 

マグネシウムのはたらき

 

マグネシウムは身体を維持するために必要な物質で、酵素の活性化や、筋肉を動かす役割を担っています。

 

摂取量が不足した場合、腎臓のはたらきによって再吸収が促されたり、骨からマグネシウムが放出されるなどの調整により、血中のマグネシウム濃度は一定に保たれます。

 

このように、身体のさまざまな機能を助けるマグネシウムは、積極的に摂取したいミネラルのひとつです。

 

食事から摂取する場合の基準量

 

食事からマグネシウムを摂取する場合、1日あたりの推奨量は以下のとおりです。

 

男性 女性
18-29歳 約340mg 約270mg
30-64歳 約370mg 約290mg
65-74歳 約350mg 約280mg
75歳以上 約320mg 約260mg

 

参照:健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)

 

年齢や妊婦の有無によって1日あたりの必要量が変化しますが、目安として「体重1kgに対して6mg」が必要であると覚えておくとよいでしょう。

 

なお、過剰摂取に対する懸念点は少ないため、耐容上限量は定められていません。

 

ただし、サプリメントから摂取する場合は1日350mg(成人の場合)までとなっています(小児の場合は体重1kgあたり5mgまで)。

 

マグネシウムが不足するとどうなる

マグネシウムが体内に不足した場合、身体に以下のような影響が出るおそれがあります。

 

・骨の健康に悪影響を及ぼす可能性

・不整脈(心臓のリズムの乱れ)

・虚血性心疾患(心臓への血液供給の不足)

・高血圧

・筋肉けいれん(筋肉のこむら返りなど)

・神経過敏(神経の反応が敏感で過敏)

・抑うつ感

 

そのほかに、皮膚のバリア機能向上に重要な役割を果たす「セラミド」の合成にも、マグネシウムが必要不可欠です。

 

つまりマグネシウムが不足すると、肌にも悪影響を及ぼすおそれがあるのです。

 

エプソムソルトの成分はどのように体内に影響するのか

 

 

マグネシウムは食事やサプリメントから摂取できますが、入浴によって肌からその成分を吸収することも可能だと言われています。

 

「エプソムソルトの経皮吸収」について紹介します。

 

化粧品の「経皮吸収」について

 

経皮吸収(けいひきゅうしゅう)とは、皮膚を通して体内に物質が入るプロセスのことです。

 

経皮吸収の主な経路は、皮膚の表面である「表皮」や、皮膚にある開口部の「毛嚢(もうのう)・皮脂腺」などがあります。

 

ただし、肌に触れた成分がすべて体内に吸収されるわけではありません。

 

成分がどの程度吸収されるかは、物質や皮膚の部位、肌の状態によって異なるようです。

 

また、経皮吸収の数値を計測する方法はあるものの、要件設定の難しさなどから実験時の検討事項は多くあると言われています。

 

なお、エプソムソルトの経皮吸収や吸収率に関する公的機関発行のデータは、国内に存在しませんが、イギリスのバーミンガム大学にて研究されていますのでご紹介します。

 

エプソムソルトの経皮吸収による研究結果

 

「エプソムソルトが経皮吸収されて、効果を発揮した」という実験結果が、イギリスバーミンガム大学の研究で明らかになっています。

 

この実験は、エプソムソルトを溶かした約28~31℃のお風呂に12分間入浴し、さまざまなデータを採集したものです。

 

実験レポートで発表されているのは、主に以下の内容です。

 

血中マグネシウム濃度の上昇が確認できた(7日間連続で入浴した場合に数値が上昇した)

・肌に直接、硫酸マグネシウム(エプソムソルト)を塗布した場合も、その成分が吸収されていることが分かった

・リウマチの痛みが緩和されたと答えた被験者(実験に参加したボランティア)がいた

・腎臓への副作用は見られなかった

 

これらの結果から「エプソムソルト入浴をすると、成分が吸収され、効果が発揮されていることが分かった」と結論づけています。

 

参照:Report on Absorption of magnesium sulfate (Epsom salts) across the skin

 

エプソムソルトの成分によって得られる可能性がある効果

 

 

エプソムソルトの成分は、入浴によって体内に吸収することが可能です。

 

具体的にはどのような効果を感じる方がいるのか、例をあげて紹介します。

 

肌のバリア機能の向上が期待できる

 

すこやかな肌を保つためには、セラミドが良い状態であることが大切です。

 

セラミドは角質層細胞にある皮脂のひとつで、肌の水分量をキープし乾燥から守ってくれる存在です。

 

セラミドの合成にはマグネシウムが重要な役割を担っています。

 

エプソムソルトは硫酸マグネシウムそのものなので、溶かしたお湯に浸かったり肌に塗布したりすれば、皮膚からマグネシウムが吸収できます。

 

マグネシウムを吸収することで、セラミドが増加し、肌のバリア機能の向上が期待できるでしょう。

 

関節痛への効果が期待できる

 

2022年10月に発行された「国際ヘルスケア科学ジャーナル」には、エプソムソルトの温水湿布による、関節痛緩和の実験結果が掲載されています。

 

この実験では、膝に痛みを抱える高齢女性の100件以上のデータサンプルを採取し以下の研究結果をまとめています。

 

【実験方法】

①エプソムソルト30gを1リットルのお湯に加える

②清潔な手ぬぐいを①に浸して、温水湿布を作る

③膝間接に20分間塗布する(1⽇2回、10⽇間続ける)

 

【実験結果】

膝関節痛の事前テストでは、100人の痛みレベルが以下のように分類された

重度の痛み:47人、中等度の痛み:51人、軽度の痛み:2人

・エプソムソルト温湿布後の痛みレベルは、以下のように変化した

痛みがない:81人、軽度の痛み:19人

 

この実験結果から、エプソムソルトが皮膚を通して吸収されることによって、関節の痛みを軽減させる可能性があることがわかります。

 

成分別で選ぶおすすめのエプソムソルト

 

 

エプソムソルトには、肌のバリア機能を向上させたり、リラックスできたりする効果があります。

 

エプソムソルト単体でも良い効果が期待できるのですが、ほかの成分が配合された商品を試してみるのもオススメです。

 

基本的なエプソムソルトは「硫酸マグネシウムのみ」というシンプルな原材料なので、いろいろな成分との組み合わせが楽しめます。

 

以下ではエプソムソルトと一緒に使える、オススメの成分を5つ紹介します。

 

米ぬか×エプソムソルト

 

米ぬかとは玄米を精米するときに出る粉のことで、多くの栄養成分が含まれています。

 

米ぬかをお風呂に入れると血行が良くなるので、新陳代謝を促す効果が期待できるでしょう。

 

また、冷え性や肩こりにも効果があると言われています。

 

クエン酸×エプソムソルト

 

クエン酸をお風呂に投入すると「酸」の影響で、お湯が弱酸性になります。

 

これによって肌表面の細菌の繁殖を抑え、体臭予防にも役立つ可能性があるのです。

 

また、クエン酸を取り入れると疲労回復にも効果的だと言われています。

 

ハトムギ×エプソムソルト

 

ハトムギは肌のターンオーバーを促進させる効果が期待できます。

 

このほかに保湿力を高め、乾燥を防ぐ効果があると言われており、お肌の状態が気になる方に向いている素材です。

 

ハトムギエキス入りのエプソムソルト製品は以下のページから購入できます。

https://epsomsalt.jp/shopping/products/detail/27

 

ローズマリー×エプソムソルト

 

エプソムソルトは、好きなアロマオイルとあわせて使うことも可能です。

 

なかでもローズマリーは入浴時にオススメのアロマのひとつで、集中力の向上やリフレッシュの効果が期待できます。

 

勉強や仕事に取り組む前や、気分をスッキリさせたいシーンで活躍してくれるでしょう。

 

ローズマリー成分入りのエプソムソルトは以下のページから購入できます。

https://epsomsalt.jp/shopping/products/detail/18

 

ポリフェノール×エプソムソルト

 

赤ワインをお風呂に入れると、血行促進を促し老廃物の排出に役立つと言われています。

 

エプソムソルト単体のときと、赤ワイン成分が含まれた製品を使い比べた場合、保温の持続性に違いが出たというデータがあります。

 

以下のサーモグラフィーのデータをご覧ください。

 

 

この実験では、赤ワイン入りのエプソムソルト製品のほうが入浴後も温かさが続いていることを示しています。

 

ただし赤ワインの色で浴槽が汚れるので、使用後は速やかに洗浄するようにしましょう。

 

赤ワイン成分入りのエプソムソルト製品は以下のページから購入できます。

https://epsomsalt.jp/shopping/products/detail/36

 

エプソムソルトは硫酸マグネシウムと成分表示があるものを選ぼう

 

 

エプソムソルトの成分は、塩ではなく硫酸マグネシウムです。

 

硫酸マグネシウムが肌から吸収されることで、関節痛が改善されたり、お肌が健やかになったりする効果が期待できます。

 

浴用化粧料として販売されている場合、成分表示義務があるためパッケージに「硫酸マグネシウム」と記載されているはずです。

 

エプソムソルトを選ぶ際は、本物の硫酸マグネシウムを選択しましょう。

 

シークリスタルスは、100%国産の成分のみで作られた天然に近い素材です。

 

浴用化粧料として1点ずつロットナンバーをつけて出荷しており、国の定める品質基準をしっかりクリアしている製品です。

エプソムソルト入浴に興味をお持ちの方は、ぜひシークリスタルスをお試しください。