エプソムソルトは近年さまざまな美容雑誌で多数取り上げられており、注目を集めています 

 

「話題のエプソムソルトを使ってみたいけれど、なにか注意点があるのだろうか?」と、心配に思われている方がなかにはいらっしゃるかもしれません。 


 


エプソムソルトの使用時にはいくつかの注意点があるものの、使い方を守ればデメリットはほとんどないといってもよいでしょう。 


 


今回はエプソムソルトの基礎知識と注意点、副作用などについて解説します。 


 


エプソムソルトとは?


 



 


エプソムソルトとは、海水から取れる「硫酸(りゅうさん)マグネシウム」のことです。 


 


透明感のある白い粒子で、主に入浴剤としてお風呂に入れて使用します。 


 


原料である海水は「水96.6%」「塩分3.4%」で構成されており、塩分はさらに以下の成分に分けられます。


 


海水に含まれる塩分内の成分


 


エプソムソルト(硫酸マグネシウム)は、海水の塩分内に約6.1%含まれており、3番目に多い成分です。 


 


なお、エプソムソルトには「ソルト」という単語が入っていますが、塩(塩化ナトリウム)とは異なる成分です。 


 


15~16世紀頃にイギリスのエプソムという地方で発見され、塩のように見えることから「エプソムソルト」と名づけられたといわれています。


 


エプソムソルトの注意点


 



 


エプソムソルトは、主に入浴剤として使用されます。 


 


エプソムソルト入浴をする際は、次のポイントをあらかじめ確認しておきましょう。 


 



  • ・エプソムソルトの使用ルールを守る 

  • ・入浴時間に気をつける 

  • ・食品ではないので飲用しない 

  • ・化粧品として販売されている製品を選ぶ


 


エプソムソルトの使用ルールを守る


 


エプソムソルトを使用する際は、製品に記載されている使用方法を守ることが大切です。 


 


とくにお湯に入れる量は製品ごとに推奨値が異なるため、確認しておきましょう。 


 


また、古くなった製品(目安として購入後3年以上経過したもの)は、使用しないほうがよいでしょう。 


 


そのほか一般的な入浴の注意事項として、飲酒時の入浴は避けたほうが無難です。 


 


また入浴時にかゆみや肌荒れなど、何らかの違和感を覚えたら使用を止めましょう。 


 


入浴時間に気をつける


 


エプソムソルト入浴の時間は「20分程度」を目安にすることがおすすめです。 


 


入浴により適度な汗をかくことは、身体にとって良い効果が期待できますが、長風呂にならないよう注意しましょう。 


 


基本的には、自分が「気持ちいい」と思える時間で問題ありません。ただし、あまりにも長時間すぎる入浴は、体に負担となります。 


 


また、脱水症状を起こしたり、肌の水分が奪われすぎたりするおそれもあるため、自分の体調を確認し入浴時間を決めておくとよいでしょう。


 


食品ではないので飲用しない


 


エプソムソルトは「食品添加物」として販売されていることがありますが、入浴剤として使用する際には決して飲んだり食べたりしないでください。 


 


食品添加物とは「食品の製造過程や加工の工程で、保存・加工の目的で使用されるもの」と定義されています。 


 


エプソムソルトの成分である硫酸マグネシウムは「にがり」として豆腐作りに用いられることがあるため、食品添加物に分類されています。 


 


しかし、エプソムソルトが溶けた浴槽のお湯を飲んだ場合、下痢になってしまうおそれがあるため注意が必要です。 


 


※硫酸マグネシウムには便をやわらかくする作用があるため、大量に摂取すると下痢をひき起こすおそれがあります。 


 


化粧品として販売されている製品を選ぶ


 


エプソムソルトを購入する際には、次の2点をチェックしてください。 


 



  • ・化粧品として販売されている 

  • ・ロットナンバーがある 


 


入浴剤のなかには「雑貨」という扱いで販売されている商品があることを把握しておきましょう。 


 


雑貨扱いの場合、成分の表示義務がないため、どのような材料が配合された入浴剤なのか判別できません。 


 


一方、化粧品としての許可を得て販売しているエプソムソルトは、全成分表示義務があるため、何が入っているのか明確に分ります。 


 


また、商品ごとにロットナンバーがあると、どの工場でいつ製造されたかといった情報も追跡できます。 


 


成分や製造元などの情報をしっかり把握しておきたい方は、これらが表示されている製品を選ぶとよいでしょう。 


 


エプソムソルトの副作用


 



 


エプソムソルト入浴をした方のなかには、次のような症状(副作用)を感じるケースがあります。 


 



  • ・肌がピリピリしたので中止した 

  • ・動機がした(ペースメーカー使用者) 


 


入浴の注意点として、お湯の温度が高すぎたり入浴時間が長すぎたりすると、乾燥肌の方はかゆみが出てしまうケースがあるようです。 


 


また、エプソムソルトには筋肉を緩める作用があるといわれているため、ペースメーカー利用者の方は、念のため担当医師に相談してから使用することをおすすめします。


 


バスソルトを使う際の注意点


 



 


エプソムソルトと混同される製品に「バスソルト」があります。 


 


バスソルトとはお風呂に入れる「塩」のことです。 


 


市販品の多くは、天然塩にハーブやアロマオイルなどをミックスしています。 


 


エプソムソルトとバスソルトはまったく違うものですが、入浴剤として使用する際は両方を一緒に使用するケースもあります。また現在では塩化マグネシウムも入浴剤として販売しています。 


 


バスソルトや塩化マグネシウムを入浴剤として使用する際は、次の2点に注意してください。 


 



  • ・循環型お風呂での使用は避ける 

  • ・浴槽にダメージを与えることがある 


 


循環型お風呂での使用は避ける


 


循環型のお風呂でバスソルトを使用すると、給湯器(配管部分)などが錆びてしまうことがあります。 


 


給湯機能にも支障をきたすおそれがあるため、注意してください。 


 


循環型のお風呂で使用したい場合は、自動運転機能や追い炊き機能を使わず、入浴後すぐに排水するようにしましょう。 


 


浴槽にダメージを与えることがある


 


木製の浴槽はニオイ移りしてしまうおそれがあるため、香料の強いバスソルトの使用は避けたほうがよいでしょう。 


 


また、天然大理石の浴槽は浸透性が高いため、入浴剤との相性によってはシミがついてしまうケースもあります。 


 


多くの浴室で、浴槽として使用されているFRP(繊維強化プラスチック)は、汚れがつきやすい性質があります。 


 


FRPにバスソルトの使用制限はありませんが、入浴剤などを入れた場合は使用後にしっかりと洗い流しておくことが大切です。 


 


エプソムソルトの使い方 


 



 


エプソムソルト入浴の方法は非常に簡単で、適量をお湯に溶かすだけで準備完了です。 


 


エプソムソルトをお湯に入れる量は製品のパッケージに記載されていることがほとんどなので、使用前にチェックしてください。 


 


エプソムソルト入浴は「米国エプソムソルト協議会の見解では、0.1%以上の濃度でないと効果を得られない」となっています。 


※米国エプソムソルト協議会の見解 


 


また、海中と同じ濃度にする場合は0.2%程度が目安です。 


 


湯量を約150リットルと仮定した場合、投入するエプソムソルトの量は150~300グラム程度となります(ミリリットルとグラムを同等として計算した場合)。 


 


エプソムソルトがお湯に溶けたら、10~20分程度お湯に浸かりましょう。 


 


なお、エプソムソルトを使い始めたら、最初の2週間程度は毎日使い続けることがおすすめです。 


 


入浴の回数や時間はあくまで目安なため、無理のない範囲で自分に合う方法で入浴して問題ありません。


 


エプソムソルトにはどのような効果があるの?


 



 


エプソムソルトには、肌を整える効果があるといわれています。 


 


エプソムソルトの成分である硫酸マグネシウムは、アシルセラミドの合成を助ける作用があり、これによって皮膚のバリア機能が回復しやすくなるというデータがあるためです。 


 


※アシルセラミドとは、皮膚のバリア形成に必要な脂質のこと。 


 


エプソムソルトは、皮膚から吸収できるというバーミンガム大学の研究結果も出ており、入浴によって肌に良い効果をもたらしてくれることが期待できます。 


参照:Report on Absorption of magnesium sulfate (Epsom salts) across the skin


 


ただし、アトピー肌の方は入浴後に保湿剤を併用することがおすすめです。 


 


そのほかにも、エプソムソルト入浴で発汗作用やリラックス効果を感じる方は多くいます。 


 


ただし肌への効果や体感には個人差があるため、もし合わないと感じたときはエプソムソルトの使用を控えましょう。 


 


エプソムソルトを使っている人の口コミを紹介


 



 


エプソムソルトを実際に使っている人の口コミを紹介します。 


 


エプソムソルト入浴を始める前の参考にしてください。 


 


※あくまで個人の感想であり、同じ効果が得られないこともあるため、参考程度にご覧ください。 


 


お肌の調子が良い


 


凄く汗出るし保湿もしっかりされてお肌の調子が凄く良い! 


引用元:X(旧Twitter)


 


エプソムソルトを使うことで、肌の調子が良くなったと感じる方の口コミはほかにも多数ありました。 


 


汗がすごく出た


 


昨日初めてエプソムソルトを入れて20分浸かってみたけど、普段から10分も浸からないから20分も入ってたら汗すごかった。 


引用元:X(旧Twitter)


 


汗をかくとスッキリするので、デトックスにも良さそうですね。 


 


寝つきが良かった


 


お風呂にエプソムソルトを入れて昨日寝たら寝つきが良く10時台には寝れて4時すぎ(起きなきゃだめな時間)に目覚めることができました! 


引用元:X(旧Twitter)


 


エプソムソルト入浴で、睡眠の質が上がる方もいるようです。 


 


お風呂でしっかり温まると、寝つきも良くなりそうですね。 


 


エプソムソルトに関するよくある質問


 



 


エプソムソルトに関するよくある質問にお答えします。 


 



  • ・エプソムソルトを使うと浴槽が痛む? 

  • ・エプソムソルトを使うと痩せる? 

  • ・エプソムソルトを使うと白髪がなくなるの? 

  • ・エプソムソルトはうつ病に効果があるの? 


 


エプソムソルトを使うと浴槽が痛む?


 


エプソムソルトには塩分が含まれていないため、浴槽を痛める可能性は低いです。 


 


「浴槽が痛む」といわれる原因は、塩分(バスソルト)によって配管などの金属にサビが発生するおそれがあるからです。 


 


エプソムソルトと名前に「ソルト」が使用されていますが、バスソルトとは別物なため、エプソムソルト単体であればサビを誘発する心配はありません。 


 


エプソムソルトを使うと痩せる?


エプソムソルトのお風呂に入っただけで痩せることは考えにくいです。 


 


入浴により汗をかいてむくみが取れたり、代謝が良くなったりした結果、スッキリと感じることはあるでしょう。 


 


エプソムソルトを使うと白髪がなくなるの?


「エプソムソルト入浴は白髪に良い」といったうわさが、インターネット上に掲載されていることがあります。 


 


しかし、医療機関や公的機関が発表している論文や研究データなど、信頼できる情報は見つけられませんでした。 


 


そのため「エプソムソルトを使うと白髪がなくなる」と断言することは現時点では難しいでしょう。 


 


白髪が増える原因の一つにはストレスがあるといわれています。 


 


入浴のリラックス効果により、ストレスが軽減され副次的に白髪の減少を感じる可能性はあるかもしれません。 


 


エプソムソルトはうつ病に効果があるの?


「エプソムソルト入浴でうつ病が改善される」とは言い切れませんが、エプソムソルトの成分である「マグネシウム」にはさまざまな効果が期待されます。 


 


マグネシウムやカルシウム、鉄などのミネラル成分を多く摂取すると「摂取していない人に比べて抑うつ症状が少ない」という研究結果が出ています。参照:国立国際医療研究センター ※他のミネラルの摂取も含んだ研究結果であり、エプソムソルト入浴単体についての研究データではありません。 


 


エプソムソルト・バスソルトは注意点を守って使おう


 



 


エプソムソルトやバスソルトなど、入浴剤を使用する際は、使用方法を守ることが大切です。 


 


多くの場合は、それぞれの製品に使い方や注意事項が記載されているため、パッケージを捨てないようにしましょう。 


 


また「バスソルトを使いたいけれどサビが心配」という方にも、塩分の入っていないエプソムソルトは最適です。 


 


エプソムソルトは、海に含まれる天然成分なため、ナチュラルな素材がお好みの方はぜひ一度試してはいかがでしょうか。